「after that」と「then」、どちらも「その後に」と訳せるけれど、どう使い分ければいいのか迷っていませんか。なんとなく使っていると、意図しないニュアンスで伝わってしまうかもしれません。
この記事では、「after that」の基本的な意味から、thenとの決定的な違い、さらにはシーン別の使い方まで、豊富な例文とともに分かりやすく解説します。この記事を読めば、もう「after that」の使い方で迷うことはなくなり、あなたの英語表現はより自然で豊かになるでしょう。
"after that" の基本的な意味と使い方
「after that」は、英語の会話や文章で頻繁に出てくる便利な表現です。しかし、その正しい使い方やニュアンスを理解していますか。基本的な意味と役割を知ることで、あなたの英語はもっと自然になります。
ここでは、以下の3つのポイントに絞って、「after that」の基礎を分かりやすく解説していきます。
- 意味は「その後に」「それから」
- "that" が指す直前の出来事を明確にするのがポイント
- 副詞として文と文をつなぐ役割
意味は「その後に」「それから」
「after that」の最も基本的な意味は、「その後に」や「それから」です。これは、何か一つの出来事が終わった後、次の出来事が起こるという時間的な順序を示します。
例えば、「I went to the library. After that, I went shopping.」(私は図書館へ行きました。その後に、買い物をしました。)のように使います。前の文で述べた行動の後に、次の行動が続いていることがはっきりと分かりますね。日常会話からビジネスシーンまで、幅広く使える基本のフレーズとして覚えておきましょう。
"that" が指す直前の出来事を明確にするのがポイント
「after that」を使う上で非常に大切なのが、「that」が何を指しているかを意識することです。「that」は、直前の文で述べられた出来事全体を指し示しています。
例えば、「He finished his homework. After that, he played video games.」という文では、「that」は「彼が宿題を終えたこと」を指します。このように、「that」が前の文の内容をしっかり受け止めることで、「その出来事があったから、次にこれをする」という文と文のつながりを強くする効果があります。話の流れを明確にするために、このポイントは必ず押さえておきましょう。
副詞として文と文をつなぐ役割
「after that」は、品詞としては副詞(句)の働きをします。これは、前の文と後の文をつなぎ、話の流れをスムーズにする潤滑油のような役割を担っているということです。
接続詞のように文の構造を変えることなく、文頭や文末、時には文中に置くことで、時間的な前後関係を付け加えることができます。「after that」があることで、単に出来事を並べるだけでなく、それらの間に時間的なつながりがあることを聞き手に分かりやすく伝えられるのです。文と文の架け橋になる便利な言葉だと理解しておくと良いでしょう。
【位置で見る】"after that" の正しい使い方と例文
「after that」は文中のどこに置くかで、少しだけニュアンスが変わることがあります。最も一般的なのは文頭ですが、文中や文末で使うことも可能です。
それぞれの位置での使い方をマスターすることで、表現の幅がぐっと広がります。ここでは、以下の3つのパターンについて、例文を交えながら見ていきましょう。
- 文頭で使う場合(最も一般的)
- 文中で使う場合
- 文末で使う場合
文頭で使う場合(最も一般的)
「after that」を文頭に置くのは、最も一般的で分かりやすい使い方です。前の文で述べた出来事を受けて、「その後に、」と話を切り出すときに使います。文頭に置く場合は、「After that,」のようにカンマを打つのが普通です。
例文を見てみましょう。「We had a meeting. After that, we went out for lunch.」(私たちは会議をしました。その後に、昼食に出かけました。)このように、前の出来事が完全に終わってから、次の行動に移るという流れをはっきりと示すことができます。話の順序を明確に伝えたいときに、まず考えたい使い方です。
文中で使う場合
「after that」は、文中で使うこともできます。文と文の間に接続詞のように挟むことで、より滑らかな流れを作ることが可能です。
例えば、「I studied for two hours, and after that, I took a short break.」(私は2時間勉強して、それから短い休憩を取りました。)のように使います。「and」などの接続詞と組み合わせることも多いです。文頭に置くよりも、少しだけ文章の一体感が増し、テンポよく話を進めたいときに便利な使い方と言えるでしょう。
文末で使う場合
頻度は低いですが、「after that」を文末に置くこともできます。この場合、主な情報を先に伝えておいて、「それは、その後のことでした」と補足するようなニュアンスになります。
例えば、「We went to the party. We saw a beautiful firework display after that.」(私たちはパーティーに行きました。きれいな花火を見たのは、その後のことです。)のように使います。最初に述べた出来事の後の追加情報として、少し強調したいときに効果的です。日常会話ではあまり使いませんが、このような表現方法もあると知っておくと役立ちます。
【徹底比較】"after that" と "then" の違いは?
「after that」と「then」は、どちらも「それから」と訳せるため、混同しやすい表現の代表格です。しかし、この二つには明確なニュアンスの違いがあります。
この違いを理解することが、自然な英語を話すための鍵となります。以下のポイントを比較しながら、それぞれの特徴を掴んでいきましょう。
- 時間の連続性を強調する "after that"
- 単純な順序を示す "then"
- どちらも使えるがニュアンスが異なるケース
時間の連続性を強調する "after that"
「after that」は、前の出来事と後の出来事の間に、時間的なつながりや一区切りがあることを強調します。「that」が前の文の内容を指すため、「その一連の出来事が終わってから、次に」というニュアンスが強くなります。
例えば、「First, bake the cake for 30 minutes. After that, let it cool completely.」(まず、ケーキを30分焼きます。その後に、完全に冷ましてください。)のように、一つの工程が完了してから次の工程に移る、という連続性をはっきりと示したいときに適しています。出来事の区切りを明確にしたい場合に使うと効果的です。
単純な順序を示す "then"
一方で、「then」は、出来事が起こった順番を単純に、そして淡々と示すときに使われます。「after that」ほど前の出来事との強いつながりを意識させず、時間的な間隔も短いことが多いです。
例えば、「I woke up, and then I brushed my teeth.」(私は起きて、それから歯を磨きました。)のように、日常の連続した動作をテンポよく説明するのに向いています。「Aして、次にBして、そしてCした」というように、物事をリストアップするように並べていくイメージです。より手軽で会話的な響きがあります。
どちらも使えるがニュアンスが異なるケース
文脈によっては、「after that」と「then」のどちらを使っても間違いではない場合があります。しかし、どちらを選ぶかで聞き手が受ける印象は少し変わってきます。
例文で比較してみましょう。「I graduated from university. After that, I started working here.」と言うと、大学卒業という大きな区切りを経て就職した感じが出ます。一方で、「I graduated from university. Then, I started working here.」と言うと、卒業して、次に就職した、という事実を淡々と述べている印象になります。伝えたい気持ちに合わせて使い分けることが大切です。
"after that" と似ている表現との使い分け
「after that」の他にも、「その後に」という意味を表す表現はいくつか存在します。これらの類似表現との違いを知ることで、状況に応じた最適な言葉を選ぶことができるようになります。
ここでは、特に間違いやすい4つの表現を取り上げ、それぞれの使い方とニュアンスの違いを解説します。
- "after" との違い|接続詞・前置詞としての使い方
- "afterwards" との違い|ややフォーマルな響き
- "next" との違い|次に行うべき行動を示す
- "subsequently" との違い|よりフォーマルな硬い表現
"after" との違い|接続詞・前置詞としての使い方
「after」は単体で、接続詞や前置詞として使われる言葉です。「after that」が副詞として文と文をつなぐのに対し、「after」は名詞や文を後ろに続けて、「~の後に」という意味の塊を作ります。
前置詞の例は「after school」(放課後)、接続詞の例は「after I finished my lunch」(昼食を終えた後で)となります。「after that」は独立して使えますが、「after」は必ず後ろに何かしらの言葉を伴う、と覚えておきましょう。使い方を間違えると不自然な文になってしまうので注意が必要です。
"afterwards" との違い|ややフォーマルな響き
「afterwards」は、「after that」とほぼ同じ意味で使える副詞で、「その後」や「後で」と訳されます。意味的な違いはほとんどありませんが、「afterwards」の方が少しだけフォーマルで、書き言葉で使われることが多い傾向にあります。
例えば、「The party finished at ten. We went home afterwards.」(パーティーは10時に終わりました。私たちはその後、家に帰りました。)のように使います。「after that」に置き換えても全く問題ありません。会話では「after that」が、少し改まった文章では「afterwards」が好まれる、くらいの感覚でいると良いでしょう。
"next" との違い|次に行うべき行動を示す
「next」は「次に」という意味で、出来事の順序を示す際に使われますが、「after that」とは少し焦点が異なります。「next」は、これから行うべき手順や行動を、順番に示していくニュアンスが強いです。
料理のレシピなどで、「First, chop the onions. Next, heat the pan.」(最初に玉ねぎを刻みます。次に、フライパンを熱します。)のように使われることが多いです。過去の出来事を説明する「after that」に比べて、「next」は未来の行動や手順を指し示す場面でより活躍する言葉と言えます。
"subsequently" との違い|よりフォーマルな硬い表現
「subsequently」は、「その後に」「続いて」という意味を持つ副詞で、「after that」や「afterwards」よりもさらにフォーマルで硬い響きを持つ言葉です。日常会話で使われることはほとんどなく、主に学術的な論文や公式な報告書、ニュース記事などで見られます。
例えば、「The company released a new product. Subsequently, its stock price rose sharply.」(その会社は新製品を発表した。その後、株価は急騰した。)のように、客観的な事実を記述する際に用いられます。非常に堅い表現なので、普段の会話で使うと不自然に聞こえる可能性があるため注意しましょう。
【シーン別】"after that" を活用した実践的な例文集
これまで学んできた「after that」の使い方を、実際のコミュニケーションでどのように活かせるか見ていきましょう。具体的なシーンを想像することで、知識がより定着しやすくなります。
ここでは、私たちの生活に身近な3つの場面を取り上げて、すぐに使える実践的な例文を紹介します。
- 日常会話で友達との会話を弾ませる例文
- ビジネスメールで状況を分かりやすく伝える例文
- プレゼンテーションで手順を明確にする例文
日常会話で友達との会話を弾ませる例文
友達との何気ない会話では、「after that」は話の流れをスムーズにするのに役立ちます。週末の出来事や楽しかった思い出を話すときに、出来事の順番を分かりやすく伝えることができます。
例えば、「I went to see a movie on Saturday. After that, my friend and I had dinner at a nice Italian restaurant.」(土曜日に映画を見に行ったんだ。そのあと、友達と素敵なイタリアンレストランで夕食を食べたよ。)のように使えば、一日の流れが生き生きと伝わります。相手に話の続きを促す効果も期待できるでしょう。
ビジネスメールで状況を分かりやすく伝える例文
ビジネスの場面では、起きた出来事を正確に、そして時系列に沿って報告することが求められます。「after that」は、メールで状況を簡潔に説明する際に非常に便利です。
例えば、「We completed the system update at 3 PM. After that, we conducted a final check and confirmed there were no issues.」(午後3時にシステムアップデートを完了しました。その後、最終チェックを行い、問題がないことを確認いたしました。)のように使えば、作業の進捗が明確に伝わります。報告書などでも応用できる、ビジネスパーソン必須の表現です。
プレゼンテーションで手順を明確にする例文
プレゼンテーションで何かを説明するとき、話の構成を分かりやすく示すことは聞き手の理解を助ける上で不可欠です。「after that」を使えば、手順やプロセスの各段階をはっきりと区切って示すことができます。
例えば、「First, we will look at last year's sales figures. After that, I will explain our new marketing strategy.」(まず、昨年の売上高データをご覧いただきます。その後に、我々の新しいマーケティング戦略についてご説明します。)のように使うと、プレゼンの流れが明確になり、聞き手は安心して話を聞くことができます。論理的な説明には欠かせない表現です。
"after that" の表現の幅を広げる言い換えフレーズ
「after that」は非常に便利な表現ですが、同じ言葉ばかりを繰り返していると、文章が単調になってしまうことがあります。状況に応じて他の表現も使えるようになると、あなたの英語はさらに洗練されたものになります。
ここでは、カジュアルな場面とフォーマルな場面に分けて、すぐに使える言い換えフレーズをいくつか紹介します。
- カジュアルな場面で使える言い換え表現
- フォーマルな場面で使える言い換え表現
カジュアルな場面で使える言い換え表現
友達との会話など、リラックスした場面では、よりシンプルで口語的な表現が好まれます。「after that」の代わりに、以下のようなフレーズを使ってみましょう。
例えば、「and then」は非常によく使われる表現です。「We went to the park, and then we got some ice cream.」(公園に行って、それからアイスを食べたよ。)のように、テンポよく話を進めたいときにぴったりです。また、単に「then」や「later」(後で)と言うだけでも、十分に意味が通じることが多いです。状況に合わせて使い分けてみましょう。
フォーマルな場面で使える言い換え表現
ビジネス文書や公式なスピーチなど、改まった場面では、より丁寧で格調高い表現を選ぶことが望ましいです。先ほども少し触れましたが、「afterwards」や「subsequently」はその代表格です。
他にも、「following that」という表現も便利です。「The CEO gave a speech. Following that, the awards ceremony began.」(CEOがスピーチを行いました。それに続いて、授賞式が始まりました。)のように使うことができます。これらの表現をストックしておくことで、TPOに合わせた適切な言葉選びができるようになります。
"after that" に関するよくある質問
ここでは、「after that」を使う上で多くの人が疑問に思う点や、間違いやすいポイントについてQ&A形式で解説していきます。
細かいルールですが、これらを押さえておくと、より正確で自然な英語表現に近づくことができます。あなたの疑問もここで解決するかもしれません。
- "after that," のようにカンマは必要ですか?
- "and after that" という使い方はできますか?
- "after that" を多用しても問題ないですか?
"after that," のようにカンマは必要ですか?
はい、文頭で「after that」を使う場合は、後ろにカンマを置くのが一般的です。これにより、導入のフレーズと文の本体が区切られ、文章が読みやすくなります。「After that, I went home.」のように、カンマを入れることを基本ルールとして覚えておきましょう。
ただし、文中や文末で使う場合は、必ずしもカンマが必要というわけではありません。例えば「I went home after that.」のように、文の流れの中で自然につながる場合はカンマは不要です。文の構造によって判断することが大切です。
"and after that" という使い方はできますか?
はい、「and after that」という使い方は文法的に間違いではなく、会話でもよく使われます。前の文とのつながりをより強調し、滑らかにしたいときに便利です。「He finished his meal, and after that, he ordered a cup of coffee.」(彼は食事を終え、そしてその後、コーヒーを一杯注文した。)のように使えます。
ただし、「and」と「after that」はどちらも文をつなぐ機能を持つため、少し冗長に聞こえる場合もあります。より簡潔に表現したい場合は、「and then」を使ったり、あるいは「and」を省いて「After that,」と文を始めたりする方が良いでしょう。
"after that" を多用しても問題ないですか?
「after that」は便利ですが、一つの文章やスピーチの中で何度も繰り返し使うのは避けた方が賢明です。同じ表現を多用すると、文章が単調で稚拙な印象を与えてしまう可能性があります。
話の順序を示したいときは、これまで紹介した「then」や「next」、「afterwards」といった様々な表現を織り交ぜて使うことをお勧めします。また、「First」「Second」「Finally」のような序数を使ったり、接続詞を工夫したりすることで、表現のバリエーションが豊かになります。色々な言葉を使いこなして、表現力アップを目指しましょう。
まとめ
この記事では、「after that」の基本的な意味や使い方、そして「then」をはじめとする類似表現との違いについて、例文を交えながら詳しく解説しました。ポイントは、「after that」が前の出来事との時間的なつながりや区切りを強調するのに対し、「then」は単純な順序をテンポよく示すという点です。
このニュアンスの違いを理解し、文中での正しい位置や言い換え表現をマスターすれば、あなたの英語はより自然で表現力豊かなものになります。今日学んだことを意識して、ぜひ実際の会話やライティングで積極的に使ってみてください。