英語の「rather」は基本的な副詞としてよく使われることがある言葉です。
ただ、「rather」には複数の意味があって、使い方が難しいという意見が多いのも事実です。
今回は「rather」の意味と使い方について解説していきます。
「rather」の意味と2つの使い方について
「rather[副]」には「いくぶん、やや、多少、少々、割に、ある程度、まあまあ」という意味があります。
ネイティブはveryを少し控えめにした表現として使うことが多いです。
使い方といたしましては、
- 程度を表す時 (自分が思っていたよりも)
- 比較を表す時 (BよりもむしろA)
↑の2つがあります。
他にも使い方はありますが、よく使われる2つの「rather」について解説していきます。
1.程度を表す「rather」の意味と使い方
「rather」は程度を表す(自分が思っていたよりも)という意味で使うことがあります。
意味を直訳すると「いくぶん、やや、多少、少々、割に、ある程度、まあまあ」になります。
↑のように「やや」という意味もあれば「ある程度」という意味もあってややこしいですよね。
なぜ「rather」にはこんなにたくさんの意味があるのか?を知るのは語源と由来を理解する必要があるので解説します。
元々、「rather」はイギリスの上流階級である貴族たちの間で使われていたという歴史があります。
貴族というのは気品を大事にするので、好ましくないものを装飾する時に出来るだけ控えめに表現する傾向があります。
例えば、「とても」よりも「結構」のほうが言い方としては控えめで綺麗ですよね。
ですので、「rather」は「very」を控えめに表現する時に使うことがあるんです。
「rather」は元々イギリスで使われてこともあって、今でもアメリカで使ってるのを見かけたことがありません。
実際にアメリカに留学してる友人に「ratherってアメリカで使うの?」と聞いたら使わないと断言していました。
もしろ「ratherって何?」という状態だったので使わないことがわかります。
アメリカで「rather」は使わないということは覚えておいて損はないですね。
rather
幾分、やや、多少、少々、割に、ある程度、まあまあ
※veryの控えめな表現。この意味のratherの直後には好ましくない意味の形容詞、副詞が来ることが多い。
rather expensive. ちょっと高いわね。— 【公式】企業英語化支援 (@4your_company) January 18, 2019
2.比較を表す「rather」の意味と使い方
「rather」は比較を表す言葉として使われることがあります。
例えば、
- A rather than B
- rather A than B
↑のような何かを比較する時に「rather than」を使ってるのを見たことがないでしょうか?
「rather than」は「BよりもむしろA」という意味で使うことができます。
比較を表す「rather」の詳しい解説は↓の「rather thanの意味と使い方」で解説していきますね。
rather thanの意味と使い方について
「rather」とセットでよく使われるフレーズに「rather than」というのがあります。
意味は「BよりもむしろA」なので「AとBを比較した結果、Aのほうがよかった」という時に使われます。
つまり、「Aのほうがよかった」を伝える時に使うのでAが何なのか?が重要になってきます。
日本人が英語を勉強するにあたって「A rather than Bってどっちがいいほうだっけ?」ということになりがちです。
「A rather than B」は「AとBを比較した結果、Aのほうがよかった」を覚えておくと会話がスムーズになります。
また、「A rather than B」以外に「rather A than B」という使い方もできます。
意味は同じ「BよりもむしろA」なのでどちらもAが重要になってくるんですね。
rather thanの例文をいくつか紹介します。
比較を表すrather thanの例文
This story is exciting rather than interesting.:この物語は面白いというよりむしろ刺激的。
He's a musician rather than an actor.:彼は役者というよりミュージシャンだ。
Pudding rather than praise.:花より団子
ことわざで有名な「花より団子」は英文に訳すと「Pudding rather than praise.」になるんですね。
また、英英辞典のロングマンでrather thanについて検索してみると......。
↑のように「rather than」は「instead of ~」と同じ意味だと解説されています。
rather thanの発音と読み方
rather thanの発音と読み方について紹介していきます。
発音記号 | カタカナ表記 | |
rather | rǽðɚ | rɑ'ːðə | ラァザァ | ラァーザァ |
than | ðən;ðǽn | ザァン(ヌ) , ザァン(ヌ) |
↑のようにrather thanの発音記号は「rǽðɚ | rɑ'ːðə ðən;ðǽn」でカタカナ表記は「ラァザァ | ラァーザァ ザァン(ヌ) , ザァン(ヌ)」になります。
独学で発音を学ぶ際に発音記号を覚えるのは重要なので覚えておいても損はないですね。
would rather thanの意味と使い方について
「rather than」が頻出される関連語に「would rather than」という熟語があります。
意味は「would rather A than B:BよりもむしろAしたい、BよりもAする方が良い」になります。
would rather thanの例文
- I would rather go bowling than go golfing. : 私はゴルフよりもボウリングに行きたい。
- I would rather quit the company than work under him.(あの人のもとで働くくらいなら会社を辞めます)
会話で「I would rather」を使う時は「I'd rather」と省略して使うことが多いです。
rather thanの意味と使い方を覚えるついでに「would rather than」も覚えておきましょう。
Rather thanを文頭に置くのは不適切!?
知恵袋で「rather than」について調べてみると以下の質問がありました。
Q:Rather thanを文頭に置くのは正しくないですか?
むしろ、といった使い方をしたいのですが。A:何かを述べて一旦文を止め「むしろ」と新たに続ける場合は
「Rather, 」から始めることができます。
「あるいはむしろ」の「Or rather, 」や「それよりむしろ」の「Rather than that, 」も可能です。
いずれもカンマを忘れないように。引用元:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10167526920
↑のように文頭に「Rather than」を置くのは不適切なのか?という内容です。
回答で述べてるように「Rather than」を文頭に置くのは不適切ではなく正しい使い方なんですね。
ratherとrather thanの意味と使い方:まとめ
- 「rather[副]」の意味は「いくぶん、やや、多少、少々、割に、ある程度、まあまあ」
- ネイティブはveryを少し控えめにした表現として使うことが多い
- 日本語に例えると「とても」を控えめにした「結構」に近い
- 元々、「rather」はイギリスの上流階級である貴族たちの間で使われていた
- 「rather than」の意味は「BよりもむしろA」
- 「would rather than」の意味は「BよりもむしろAしたい、BよりもAする方が良い」
- 文頭に「Rather than」を置くのは不適切でなく正しい使い方